2017/04/01

■七吟歌仙:自転車の巻 満尾

歌仙「自転車」会場

初折表 自転車で空港へゆく日永かな  ユキオ
      東南東の風をおでこに  天気
    黒猫は麻雀卓をぬけだして  牟礼鯨
      洋梨パイの焼き上がる頃  夜景
    月代を盛るにはうすい玻璃の皿  りえ
      蘆刈る舟のものがたりせむ  若之
初折裏 アイコンのきのこが熟す指の先  紫乙
      いまふられたら寂聴になる  オ
    離さない死ぬまでもとい次の世も  気
      宇宙の塵をさらふ蜘蛛の囲  鯨
    はつなつの下宿でめくるトムキンス  景
      神田川から酔拳の声  え
    狙撃より確かで冴えてゐる月の  之
      凍土の中を進むマンモス  乙
    留置所で教へてもらふのりピー語  オ
      三日三晩を汽船に揺られ  気
    国産みの火山にかかる花の雲  鯨
      まづ新婦から羊の毛刈る  景
名残表 鉄球にびくともしないコシノビル  え
      重力の罪深き木星  之
    たはむれのはじめにめくるカレンダー  乙
       褌みせてくれるんでせう  オ
    汝が胸に吾が息 とほく泳ぎきて  気
      涼気を運ぶ短波放送  鯨
    恋文にじらさないでとだけ書いて  景
      ふたりで金の孔雀を飼はう  え
    剝製のやうに無害なソクラテス  之
      防腐剤から望月こぼれ  乙
    猿酒を譲つてくれるかものはし  オ
      長椅子にぽつねんと虫売  気
名残裏 歩を成らす人工知能負かすため  鯨
      虹のむかうに靴放り投げ  乙
    牛頭馬頭とヒッチハイクで品川へ  え
      もつとひかりを(レモンヱロウの)  之
    剝落の花となりたるフレスコ画  景
      千年かけてふらここを漕ぐ  オ

起首 2017年2月16日 19:00
満尾 2017年3月31日 13:17

8 件のコメント:

竹井紫乙 さんのコメント...

おはようございます。

皆さま、ありがとうございました。
とても楽しかったです!

天気様、お疲れ様でした。
何度も笑っておりました。面白かったです。

         竹井紫乙

夜景 さんのコメント...

みなさま、おつかれさまでした。
ラストは本当に完璧に決まりましたね。
それも力技でなく、ふっと自然に。
思わずにっこりしてしまいました。

愉しい時間をありがとうございました(拍手)。

佐藤りえ さんのコメント...

みなさまおつかれさまでした。ありがとうございました。

十ン年ぶりに歌仙に参加しました。安定のボンクラぶりを遺憾なく発揮した感でいっぱいであります。
自転車のユキオちゃんを先導に、黒猫や寂聴さんやトムキンスやマンモスや、がにぎにぎしく連なる楽しい道中でした。

またいつかどこかでお目にかかりましょう。
天気さん、楽しい場に参加させていただきありがとうございました。

石原 さんのコメント...

みなさま、ありがとうございました。
上手な人のリードでタンゴを踊るとふわーっと空中を運ばれる感じがするのですが、歌仙初体験はなんだかそんな感じでした。
やはり参加させてもらうと連句鑑賞のツボがわかってきますね。
普段の俳句のイメージと違うフレーズが出てくるところもおもしろかったです。(とくに若之くん。)

sato さんのコメント...

こんばんは。かものはしが出てきて嬉しかったです。

Unknown さんのコメント...

遅れ馳せながら、お疲れ様です。いろいろな場への窓を開いた連衆の皆さんと捌きの天気さんに感謝。

若之 さんのコメント...

みなさま

どうもありがとうございました。
いやー、たのしかったです。連句は、非‐責任的に言葉を継ぐことができるので、すごく気持ちいいなあと、あらためて。

週刊俳句オフ会の昼の部でも連句興行がありますので、来られる方はぜひ!

天気 さんのコメント...

みなさま、お疲れ様でございました。

また機会を見つけて、巻きたいと思っています。


で、4月16日の歌仙、ご案内はこちら↓
http://weekly-haiku.blogspot.jp/2017/03/102-10.html

リアルで顔を突き合わして巻くのも、おもしろいです。