2015/11/25

【句集をつくる】第4回 値段の話


ええっと、今回は値段の話。

一般に句集の頒価、2800円かその前後が多いようですね。これ、ページ数(多くは200頁を切る)や造本などからすると、とんでもない値段です。一般書籍で200頁程度だと(新書の体裁は別にして)1200円から高くても1500円程度でしょうか。

句集がなぜこんなに高いのか。

謎です。

以前はいろいろ類推しました。自費出版の制作費(版元に支払うオカネ)、例えば140万円を発行部数(例えば500部)で割って2800円、とも考えました。ぜんぶ手売りすればトントンという計算。ですが、制作費はケースによって幅があります。

わかりません。

結局、そういう習わし、と考えるしかないのかもしれません。

なにか確たる理由があるのかもしれません(ご存じの方、いらっしゃたら教えてください)。

「自費出版だからいくら高い金額をつけてもいいじゃないか」という声もありましょうが、一般書籍につきまとう版元の損益リスクはないのだから、採算を度外視して安くもできる(極端な話、100円でも500円でもいいのです。謹呈が多くを占めるのであれば、いっそのこと)。

ところが2800円、ないしはその前後、です。

謎ですね。

あ、言っておきますが、2800円はダメ、とか、「高価」を批判しているわけではないのです。

こういうものって、著者(自費出版をする人)が決められるものではない、というケースもあるでしょう(ナントカ叢書ってなシリーズとか)。自分で決めるものではない、と思い込んでいる人もいそうです(自分が費用をぜんぶ負担する自費出版であるにもかかわらず)。

それに、きほん、値段も含めて、著者それぞれが、あるいは版元それぞれが決めればいいことです。それに文句をつけるつもりは毛頭ありません。

ただ、2800円という破格の(異常な)定価をつけつつ、「広く多くの人に読んでほしい」とのたまう、そういうムジュンには、やはりちょっと首を傾げます。

贈呈以外のところで、思ってもみない読者に出会う(それが「広く」という意味のひとつ)ためには、常識的な頒価がよろしいです。


で、どうしましょう?

出来てもいない句集の値段を、この時点でうんぬんするのもへんな話ですが(もともと順序どおりではありません、この「句集をつくる」シリーズ)、頒価は1300~1500円くらいかな? 次に出す句集は。自分の知らないところで読者に出会ってほしいので。『けむり」は幸運にもそういう出会いがいくばくかあったようなので、チャンスはだいじにしたい。

ちなみに『けむり』は1800円。ちょっと高すぎたと反省。当時、既存の句集群の高価にちょっと気を遣ったところもある(意外に弱気です)。人名句集『チャーリーさん』は私家版・非売品(実質タダ)でした(PDFによる増補改訂版も現在無料)。「こんなものでオカネを頂戴するなんて滅相もない」ということもあるし、こんな酔狂(バカとも言う)にふさわしいのは「プラスレス」。そういう気分もありました。

その意味では、次の句集は、酔狂(バカとも言う)に1000円以上のお代を頂戴しようというのですから、自分でもちょっとドキドキしてしまいます。

なお、ディストリビューション(流通・頒布)の問題も、価格と密接に存在するわけですが、これについては、まだノー・アイデア。おいおい考えていきましょう。


というわけで、句集づくりを元気に、のんびり進めてまいります。ジミ・ヘンドリクスでも聴いて、盛り上がりつつ。





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