2017/12/03

■兄妹のこと 『街』第128号より

押入れに入ると兄ゐて夏の果  小久保佳世子

姉妹がいないので、異性のきょうだいというものについて、よくわからない(世に虚構の妹は無数に存在するようだが、それは自分の感覚の参考にはならない)。

ともあれ、強烈に近親相姦的、甘美にイケナイ句であることは一読して判然。

夏の終わり、まだ暑さが残るのであれば、押入れの中の出来事は、なおのこと。

掲句は『街』第128号(2017年12月1日)より。


余談だけれど、送り仮名。俳句は辞書的正則に縛られることはないが、押入、押入れ、押し入れの三者択一なら、押入がうれしい。「夏の果て」を「夏の果」と用字するなら。

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