2017/08/31

■俳句賞・予備選の「闇」

野口る理さんが俳句の「賞」を取り上げた連載「ほどける冠」意外な結末を迎えたわけですが、途中(8月13日)、神野紗希さんが、さらっと、すごいことを言ってます。



http://spica819.main.jp/tsukuru/20587.html

いくつか要点があって、

1 予備選は編集部も関わるんですね。当然といえば当然ですが。

2 《~みたいな句が入ってると取れない(予備選を通せない)から気をつけて》って、それ、言っちゃうんだ!

後者には、ちょっとびっくりした。オフィシャルじゃなく、応募者個人に、選考基準(っていうほど大袈裟なものじゃありませんが)を、たまたまなのか、わざわざ「これ言っとかなくちゃ」なのかは不明ですが、また、編集部じゃなくて編集者個人ですが。



予備選の過程は、ふつう、公開されない。いわばブラックボックス。どんな作品が合格したかは誌上でわかりますが、どんな作品が落ちたかはわからない(もちろんそこをすべて公開するなんて物理的にムリ)。

ところが、落選展です。

週刊俳句が毎年催している「角川俳句賞」落選展で、予備選を落ちた作品のごくごく一部を読めるようになった。予備選を通過した作品と比較対照できるようになったわけです。これは大きい。ブラックボックスの真っ暗闇だった中身にほんの少し光が当たったわけです。

かすかに見えたものから、何を思うかは人それぞれです。自分の次回応募作の参考にする人もいれば、自分の俳句観との一致・相違を思う人もいる。いずれにせよ、落選展の意義のひとつは、予備選のかすかなる/朦朧たる可視化。これって、存外大きいことなんですよね。

ラヴ&ピース!

0 件のコメント: