2017/01/09

■プロレスと私 あるいは『フラカン』の短歌ページ

プロレスとの接点は、上田馬之助と誕生日が同じということくらいの私ですが、『男は馬之助―場外乱闘を生きてみろ!』(1983)は初版当時に読みました。好著です。

〔関連記事〕

小津夜景 〈身体vs文体〉のバックドロップ
http://yakeiozu.blogspot.jp/2017/01/vs.html

「川柳スープレックス」お知らせ記事
http://senryusuplex.seesaa.net/article/445690407.html

新春対談 小津夜景✕飯島章友
http://weekly-haiku.blogspot.jp/2017/01/vs.html






小津夜景さんといえば、このあいだ憲武画伯が「夜景ちゃん」という呼び方をして、たいへん新鮮だったのですが、私はやはり「小津博士(おづはかせ)」がしっくり来ます。

で、小津博士の『フラワーズ・カンフー』、15首だけ入っている短歌がとても良くて、楽しい。



博士は、短歌をたくさん読んでいる人らしいのですが、つくったことはないそうなので、ちょっと驚きです。もっとも、『フラカン』という本に棲んでいる人(≒小津博士)は夢も現も区別のない人なので、夢のなかで何千首もつくっているのかもしれません。

で、その八田木枯頌15首「こころに鳥が」には、例えば、

心音がロールシャッハとなる夕いらして蝶の軽さに遊ぶ  小津夜景

聴覚・視覚・触覚のマルチメディア的交錯とか、「いらして」の挿入具合とか、助詞への気配りとか、なんともナイスな調べ。

ところで小津博士は、短歌に関して、直球好みの模様。

≫反スイート論、そして絶唱。
http://yakeiozu.blogspot.jp/2016/12/blog-post_27.html

フォークボールやナックルのように打者の手元で変化するのではなく、捕手のミットへズバンと収まる直球。そういえば、

この指は音叉でせうか音叉とは抱きあへない木霊でせうか  同

スイートではありますが、直球な恋歌。


『フラカン』は、統一されたイメージ・感触とともに、幅のある本。その幅には短歌ページも大いに寄与してるっぽいですよ。


『フラワーズ・カンフー』(2016年10月/ふらんす堂)
http://yakeiozu.blogspot.jp/2016/10/blog-post_23.html

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