2017/01/09

■野口・生駒のデビュー戦 『俳句』1月号の合評鼎談を読む

『俳句』2017年1月号で、生駒大祐、野口る理の若手ふたりが、片山由美子と合評鼎談。

(若手2名を合評に加えるという、かなり思い切った新趣向。拍手)

野口、生駒は、予想以上に、自然体。年長に向かっても言うことは言うという態度で、臆することなく、媚びることなく、とくだん肩に力が入るでもなく。

(編集の具合もあるのだろうけれど、もうひとつの座談会「今年、この俳人から目が離せない!」で、ところどころ空疎な社交辞令や気持ちの悪い媚びが目につくのと対照的)

片山由美子は、相変わらずのリゴリズム(とはいえ、それは技術論・方法論にほぼ限られていて、その意味で抑制的)だが、おおむね懐深く、若手の感想を受け止めていて、こちらも予想をやや裏切る。

ひとつ話題を拾うと、

(黒田杏子50句について)
野口 作品が交遊録になっているということですね。

黒田杏子は、追悼文・追悼句でさえベタな交友自慢(故人よりも「私」が前面に出てしまう筆致)になりがち。そうとう俗っぽい人(片山由美子流にいえば「人間が大好きな方」)なんだろうなと思っている。

『里』2017年1月で堀下翔「弔文」が、黒田杏子の追悼文・追悼句について「史実」の側面を重視、含みを持たせながらも肯定的に論じているのと、上掲・合評鼎談の当該部分と並べて読むと、興味深い。


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