2016/07/11

■私たちが突入する高齢者ゾーン:前篇

「年寄り」という語を他人事のように使うと、たちまち自分に跳ね返ってくる、そういう微妙なお年頃なわけですが。

TBSラジオの午前が、この春からずいぶん変わった。30年続いた「大沢悠里のゆうゆうワイド」(4時間半)がなくなり(週一土曜午後に移動)、そのかわりに「伊集院光とらじおと」「ジェーン・スー 生活は踊る」。出演者が若くなった。それ以上に、目を見張る(耳の話だけど)のが、もっぱら洋楽が流れるようになったこと。

AMラジオの午前といえば、昭和歌謡やらJポップばかりだったのに、今では、ほとんど洋楽。ヒット曲ばかりではない。かなりシブいところもオンエア(昭和の言い方?)される。

これ、番組のターゲットが変わったわけではない。ワイドFM化で、既存FMのコアユーザー(比較的若年)の取り込みもあるけれど、それよりも、AM本来のユーザーが世代交代した、ということだと思います。

先日はマイケル・フランクスが流れてきて、「おっ、なつかしい」と思った。そんな私の世代が、高齢者=AMラジオの午前ユーザーのゾーンに入ってきたということなのです。

ビートルズには間に合わず、ウッドストックにはぎりぎり間に合った世代が60歳を超え、「年寄りの風景」に加わった。

誰でもそうだと思いますが、自分が自分に思う年齢は、他人が自分に思う年齢よりもずいぶんと若い。その誤差の修正を強いられる瞬間、老いを自分から気づく瞬間は、なにも鏡ばかりとは限らないという話。ごくごく一般的な話。


なお、「現在、日本では4人に1人が高齢者」というときの高齢者は65歳以上。統計的には、ゾーン突入はすこし先。

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