2016/02/06

【句集をつくる】第8回 タイトルの話

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話は戻りまして予算。目安としてチャーハン2000杯だと、思い浮かべる単価が人によって幅がありすぎるので、言い方を替えます。

「練乳の味わい白くま」3500~4000

ということで。



さて、今回はタイトルの話です。

句集の書名で圧倒的に多いのは(ほとんどそうなんじゃないかと思うくらい多い)、ご存じのとおり、ある一句の中から語を拾うパターン。

これは、やりません。

主な理由は、書名になった句が目立ってしまうから。

その句を目立たせたいから、このパターンになるのでしょうが、それは避けたい。発表する句を差別したくないという、どうも奇妙な心性があるらしいのです、私には。

一句だけに良い思いをさせない。ぜんぶの句に良い思いをするチャンスを与えたい。

ヘンかもしれないけれど、そうなのだからしかたがありません。

『けむり』もそうであって、あのときは、書名を決めてから、「煙」「けむり」の入った句を構成から除外していきました。今回は、それをしなくてもいいように、確実に使っていない語を探すと思います。だから、すこし長くなるかもしれない。


でね、長いといえば、ものすごく長いタイトルもおもしろい。販売とか流通とかをいっさい考えなければ(実際、自費出版の句集にセールスもクソもない)、100字に及ぶ書名でもいいわけでしょう? 表紙・カバーは、タイトルだけでいっぱいです。となると、装幀者の腕の見せどころです。


この本はそうとう長い。72字。






避けるノリというのは、とうぜんあります。

かっこいいタイトル、美しい書名は、やりません。

句集が自分に酔っている(作者が、じゃなく、本が)みたいになるのは、ちょっとね。「どうよ、私ってこんなに美しい句集なのよ」「かっこいいだろう?」と、本がのけぞっているようなのは、趣味じゃないし、ガラでもない。

なんだかとぼけてて、愛嬌をだいじにしてて、でもちょっと凝ってはいるんですよ、といった書名がよろしいです。



というわけで、実際のタイトルを、おいおい考えるのでしょうが、かたちになるタイミングはまったくわかりません。句集をまとめている最中かもしれないし、最後の最後かもしれない。

どんな書名になるのか、自分でも楽しみ、というのがいいですね。


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