2015/02/26

■コガラシ・メモ

八田木枯さんの句集6冊の刊行年。どうしてこんなメモが要るかというと…


…週刊俳句に「八田木枯の一句」というシリーズがあって、その更新を担当しているからなのですよ。





2015/02/25

■イタイイタイイタイイタイイタイイタイ

映画『百円の恋』(2014年・武正晴監督)が素晴らしかった。


■「季語の斡旋」などという俳句業界用語は、俳句を語るとき使わないに越したことはない

コメントした(≫こちら)。

ま、便利だから使うんでしょうけれど。

「斡旋」と同じ意味でも、もっと一般的な語で伝わるなら、そのほうがよろしいです。

「季語の斡旋」といったジャルゴン(業界用語)を抵抗なく自然に使った一句評や俳論は、言い回しや切り口がクリシェ(紋切り型)というケースが多い。

句を評するのに、一定のパターンを身につけることが、修練のひとつだったりする。この訓練は句会などで日常的に培われたりするので、誰でも身につけやすい。覚えてしまえば、カッコウがつく。わかったような感じになる。けれども、ちょっと距離をとって見てみると、誰もが言いそうなことの合成物。「個性的なw」批評がいいってわけじゃあありませんが、ジャルゴンとクリシェの合成物はやはり空疎で、ツマラナイわけです。


(自戒を込めて)

2015/02/24

■和田悟朗逝去

俳人・和田悟朗さん逝去の報。
http://www.asahi.com/articles/ASH2S44NZH2SPTFC00B.html

この卵どんなひよこか卵呑む  和田悟朗

「疾走」61句(『儒艮』第8号・2014年9月)より。

2015/02/23

■二月に歌ふ菅井きんの歌

カンナとかヤングとかいふパーマ屋に掲げる菅井きんの肖像 10key

菅井きん以前に菅井きんは無しみんなで習ふ宇宙の歴史

よござんすかよござんすねと言ひながら結局菅井きんは動かず

ミス上智ミス国士舘菅井きん第一問は三択だつた



みなさん、月曜日ですよ。

2015/02/22

■水があれば眺め、橋があれば渡る、橋ラヴァーです。

築地から勝鬨橋ではなく少し歩いて佃大橋を渡り佃島へ。住吉大社とかに寄りつつぶらぶらと、中央大橋を渡り鐵砲洲方面へ。永代橋西詰までぶらぶら。そこから高橋、南高橋を渡り、八丁堀へ。

ざっと2時間半。橋を満喫の午後でござんした。

佃大橋を渡り佃島へ。


高橋(たかばし)から南高橋を望む。そのむこうに見える亀島川水門。

2015/02/21

■鮫のこと

柳本々々さんの連載『夢八夜』第三回目の「第三夜 本屋で鮫じゃんか」で拙句を取り上げていただいています。

多謝。

こちら(↓)はそのライナーノーツのような記事。
http://yagimotomotomoto.blog.fc2.com/blog-entry-592.html


幸せな句、幸せな句集です。



■ル・アーヴルから

オイル・サージンの詰め合わせ

いただいたのはずいぶん前で、もちろんすべて美味しくいただきました。この缶、何に使おうかと、心わくわくさせているところ。


2015/02/20

■ピクトさんのこと

柳本々々さんの記事。
http://yagimotomotomoto.blog.fc2.com/blog-entry-590.html

非常口の緑の人と森へゆく  なかはられいこ

へのオマージュとして、

非常口のみどりの人が消えている  八上桐子

いずれも川柳分野の句。


さて、俳句ではどうか。

あのピクトグラムが句になることはほとんどない。というか見たことがない。

なぜかというと、

非常口みどりの男いつも逃げ  田川飛旅子

この句の存在が大きい。

この句があるから非常口のあの緑色の人影を句にしてはいけない、ということでもないし、できない、ということでもないけれど、この句と違う見方、違う切り口を見出すのは、かなり困難。別の物語を持ってくるか、うまく本歌取りをやるか。手詰まり感は相当なものとなる。

つまり、巨大な存在感をもつ先行句、偉大な先行句が一句あると、「そのネタはもう、あの一句で足りていますよね」という状態が出来上がります(これはネガティブな物言いではありません。俳句レガシーへの敬意)。

一方、先に挙げた2句に先行の類句があると言いたいわけではありません(実際、似ていない)。川柳には川柳のレガシーがあるでしょう。あるいは、川柳分野で田川飛旅子句がどのような位置にあるのか、私にはまったくわかりません。俳句における、あの「みどりの人影」についての事情は、そういうことなんですよ、という話。



で、以上とは別に、ひとつ、思い当たったのは、なかはられいこ句、八上桐子句では、アレを「人」と呼び、田川飛旅子句では「男」と呼んでいる点。

姿かたちからすると、アレは、あきらかに男性です。

女性作家2人は彼を「人」と呼び、男性である田川飛旅子は「男」と呼んだ。これって、口ぶりにおのずと性差が現れた好例だと思うんですよね。


2015/02/19

■「川柳スープレックス」がスタート

「川柳スープレックス」というウェブサイトが始まっています。

http://senryusuplex.seesaa.net/

「川柳を読む」をテーマに多彩な執筆陣。

運営代表の飯島章友さんが趣旨説明
当ブログもスープレックスという技のように、川柳界における「読み」の停滞を引っくり返していければと思います。

飯島さんは格闘技ファンですね。

で、この「停滞」に関する把握や「停滞」に抗していこうという態度は、「週刊俳句」のスタート時点と同様。

持続と発展を願いつつ、楽しみに読ませていただきます。





2015/02/18

■吼える

『都市』第43号(2015年2月1日)より。

金色の吼ゆるがごとき屏風かな  中西夕紀

視覚と聴覚の相互乗り入れ。俳句でめずらしい仕掛けではありませんが、きちんとハマると読者に快感。

ルビはありませんが、「こんじき」と読みたい(「きんいろ」じゃあ締まりません)。

2015/02/17

■カメラの中から

佐藤りえさんのステキすぎるブログを見て、こりゃあアグファで撮ってみなくちゃと(腕前はぜんぜんダンチなんですけどね)、OM4を引っ張り出してきたら…


いつ撮ったかわからないフィルムが出てきました。これもアグファ(こちらはポジフィルム)。


抽斗から、カメラから、ほんと、いろんなものが出てきますね。

現像に出してみましょう。

■どうしましょ

抽斗から出てきた。


どうしましょ、じゃなくて、使えばいいわけですが。

2015/02/16

■とりあえず菅井きんの歌

一台の一眼レフにべつべつの時間と菅井きんが収まる 10key

そも菅井きんとはなにか?正解は来週おなじチャンネルで待て

遠火事のごとき歴史の一点がまさしく菅井きんの立ち位置


ほうっておいても月曜が来ます。


2015/02/15

■引用

〈引用〉を解することは、(ジャンルの)過去や伝統を知ること、愛すること。これはだいたいのことにあてはまります(俳句にも)。


Angie Stone - No More Rain (In This Cloud) 1999


Gladys Knight & The Pips - Neither One of Us  1973

2015/02/13

■猫のふぐり

『星の木』第14号(2015年1月31日)より。

実のごとき猫のふぐりや秋の風  大木あまり

ふぐりを包む産毛。その産毛が秋風に包まれる。

猫のふぐりは触っても「実のごとき」なんですよ。


モモ。photo by 嫁はん



2015/02/12

■和知喜八のモンド句 『街』の今井聖連載より

俳誌(結社誌)『街』に連載の今井聖「試行燦々 名句に学び無し、なんだこりゃこそ学びの宝庫」は、毎号、俳人ひとりを取り上げ、エピソード豊かに作家と作風を活写すると同時に、ごとにタイトルにもあるように「なんだこりゃ」句の博物誌の様相を呈するものです。

最新号(2015年2月)は和知喜八。

勤めいやな朝まつこうから燕の白  喜八

この句を「工場要員の、営業最前線の、泥まみれの二等兵の『本音』」と評する。

「会社、行きたくない」「もう帰りたい」といった愚痴は古今東西よく目にし耳にする。会社勤めと無縁な人にも、いまなら例えばツイッターのさえずり。「いやなら辞めればいいのに」とはいえ、日本人は勤勉。辞めたりしない。辞めないだろうから、こちらも安心して愚痴を受け止める。 ま、それはそれとして、「燕の白」は鮮烈。弧を描く飛翔を様子を「白」と腹の色を閃光のように読者に見せてくれる。勤勉ってたいせつですよ。これはもう100パーセント本気で。


掲句はかなりまっとうに思え、モンド度、ヘンテコ度は低い。「なんだこりゃ」までは行きませんが、今井聖さんの記事の途中には、そうとうヘンテコな句もきちんと挙げられています。例えば、

「喜八の大バカ!」田に熱くきき雪国星夜  喜八

餃子で一杯火が点いて翔ぶ俳句野郎  同

ううむ。ヘンテコな句はだいじです。


2015/02/11

■ロックンロール+フレンチ=?

お洒落で、軽薄なおもむきに。


2015/02/10

■20年

棚の奥から出てきた使い捨てカメラ。現像・プリントが出来てきました。

ただし、フィルム自体が経年劣化で色褪せて、こんな感じのボケボケです。

写っていたのは20年ほど前に亡くなった父と私たち。どこか観光に出かけたときの写真でした。

期待したような「笑えるオチ」ではなくて、ちょっとしんみりしちゃいました。


教訓:フィルムの寿命はあんがい短い。



2015/02/09

■けふも菅井きんの歌

よろよろと羽毛布団を這ひ出しぬふたたび菅井きんに逢ふため 10key


月曜日でっせ。



2015/02/08

■オンライン古本ショップにページ追加。

オンライン古本ショップ、久しぶりにページ追加。
http://sevendays1.exblog.jp/

長谷川四郎
チェスタートンほか

昭和中期の翻訳推理小説本のチープなデザインをひとり素敵がっています。



2015/02/07

■タイムカプセルを開けてみることにしました

棚の奥から使い捨てカメラが出てきた。大昔に撮ってそのままになっていたのです。

明日かそこら現像に出してみることにしましょう。

何が写っているのか? 楽しみのような、怖いような。

現像し忘れたフイルムはタイムカプセルなわけです。


2015/02/06

■それは必要なのか?

カバー(シェイド)って、要るのだろうか?

蛍光管は4本も要らない。2本でいいのではないだろうか?

天井を見上げて、そういうことを考えているのですよ。





2015/02/05

■ハモンド好き

ハモンド・オルガンというものがありましてですね。


2015/02/04

■大きな字

蘖と書けば大きな字となりぬ  鶴岡加苗(句集『青鳥』2014年)


書いた。




大きな字になった。

句にそのようにあるので、大きくならないように意識したはずなのですが。


■仕込み

フレンチトースト仕込み後およそ8時間経過。もう焼き頃、食べ頃だけど、翌朝まで待つことに。


立春ですね。


2015/02/03

■砂のフイルム

フイルムは深き眠りに鳴る砂か  小津夜景「接吻」


2015/02/02

■風の都

「てのひら」という語は、「平(ひら)たい」やら「開(ひら)く」のイメージを伴っています。

てのひらは風の都や百千鳥  山崎十生

手の上に都がある。手をかざせば、風が集まる、風が吹く。そこは「風の都」です。

典雅で華やか。その悦ばしさを増幅するように「百千鳥」。あまたの鳥が集まり、さえずりあう景は「都」にぴったりです。


春ですね。



掲句は『花鳥諷詠入門』(2004年/富士見書房)より。

■めくるめく菅井きんの歌

めくるめくページがぜんぶ菅井きんこれはなにかの予兆でせうか 10key


月曜日ですぜ。