2014/10/22

■雪とシャーレ

『季刊芙蓉創刊25周年・通巻100号記念 芙蓉合同句集』(2014年10月)より。

シャーレより虫這ひ上がる雪はげし  ドゥーグル・リンズィー

興趣。

上昇(虫)と下降(雪)、上(空)と下(シャーレ)、小(虫)と大(気象)。明確な対照は、明確過ぎて興をそぐこともあるのですが、この句は、とてもすっきりとおもしろさが伝わります。

「はげし」がいいのだと思います。ここまで言わない手もありますが、「はげし」とあることで句全体にダイナミズムが生まれたような気がします。「はげし」いので、上へと向かう虫の肢まで見えるのですよ。




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