2014/06/26

■ひとつの暮らしに

ウラハイで紹介されている竹村翠苑句集『摘果』


鏡餅鏡餅もて割りにけり  竹村翠苑

電子レンジ十秒蝗しづもりぬ  同

このふたつが、ひとつの暮らし、ひとつの厨にある可笑しさ。


簡単にいえば、伝統的なものと現代的なものの併存なわけですが、私たちの暮らし自体、そうなわけで、となると、句集というのは、併存を備えて豊かになるという側面がありそうです。


「電気もガスもないとこでお暮らしのようですね」 と言いたくなるような伝統的モチーフばかりの句集は、虚構として楽しむぶんにはいいが、それ以上の感興はない。一方、今日的な素材をウリにしたかのような句集も、ウケ狙いに過ぎること多々。

私たちも私たちの暮らしも「均質」ではないのだから、それを「異質」を素直に並存させるのが、いちばん、かもですね。