2014/06/12

■ゼリーとクラゲ

プネウマ pneuma は息とか風とか空気。見えないけれど、見えるものが「そう在る」ことの根拠、というか、土台というか。

霊気と解してもかまわないのだろうけれど、そうすると神秘感が強すぎる。神秘は神秘なのだが、モノ的に、気息や風と考えるほうがしっくりくる。

まなざしはゼリーぢーつとしてゐると  小津夜景「天蓋に埋もれる家(中)」より

小津夜景さんの近作を読んでいると、ふと、そのプネウマを感じることがあるのです。


くらげみな廃墟とならむ夢のあと  同「天蓋に埋もれる家(前)」より

触診のラジオはいつも嗄れている  同「ハラペーニョで人類を」より

あしのうらぽかんと眠るとき他人  同


ゼリーは夏の季語として定着しているらしい。そういえば、クラゲ(これも夏の季語)は jellyfish ですね。

ただの余談です。




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