2014/01/22

■変態俳句

現代俳句協会青年部が「変態俳句」についてアンケートを集めていることを知り、ちょっと調べてみた(ググっただけ)。

とりあえず「羽化」。

「羽化登仙」的な比喩は多く見つかるが、ちょっとぴんとこない。とくに作者本人の「羽化」となると、どうしてもナルシズムが入ってしまう。で、そういうのを除いていくと…

人参を擂るおとうとの羽化のため  佐藤鬼房

父の忌に羽化する蝉のうすみどり  橋本薫

耳鳴りのあの夕暮は蝶の羽化  柿本多映

羽化のもの遠くへ犀の革ごろも  中島斌雄

といったところがお気に入り。「おとうとの羽化」は比喩だけれど、あやしい。

中島斌雄は迫力があるなあ。むかしもっと読んでおけばよかった。

「羽化」そのものを描写した句も多いが、だいたいは一味足りず。その点、橋本薫さんのは「父の忌」との照応が透明感をもたらしている。


なお、「蟬の殻」「空蟬」といった季語も関連してくるが、それだと範囲が広くなる。



(すっとぼけ)

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