2013/11/21

■純子て

誰だ?

…という。ふうに思わせたら、もう、こっちのものなわけです。

海峡を純子の耳が通過する  山田露結


勝手気ままで、いいかげんな句(というと作者は怒るかもしれませんが、褒めてます)が、世の中には、あったほうがいいです。リキ入りまくった句やら、上手に形の出来上がった句ばかりでは息苦しい。


この句、シュールというには演歌すぎる。これ、美点。

「泳ぎきる」ではなく「通過」なので、レーダーのまるい画面を「純子の耳」が点滅しながら過ぎていく景が浮かぶ。とすれば、「純子の耳」は軍事的な符牒かもしれません。


掲句は「カットアップ試作5句~その3」より。

0 件のコメント: