2012/12/06

ことの次第

〔ここは、それではない〕と〔ここが、そうなのかもしれない〕の中間のような心情が〔ここ〕から〔どこか〕へとたゆたうように移動していくのがロードムービーというふうにも言えて、けれども、『ことの次第』(ヴィム・ヴェンダース監督/1982年)のまったく動かない前半部分も、〔ここは、それではない〕と〔ここが、そうなのかもしれない〕の中間という意味ではロードムービーなのかもしれない、などと。

オン・ザ・ロードの途中の長い長いポーズ(一旦停止)。

映画制作費がショートして、ロケ地であるポルトガルの海岸で足止めを食うスタッフと俳優が、たまたま〔一旦停止〕の時と場所を共有したかのようであるのは、帰るところがあるような人がひとりも見当たらないせいか。


ま、それはともかく、初期のヴェンダース映画の何本かが、たまらなく好きであることが、いまさらのようにわかった。





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