2012/09/30

もうひとつの解題 俳風昆虫記〔夏〕のこと

週刊俳句・第284号に、

俳風昆虫記〔夏の思ひ出篇〕99句
Fabulous Insect Adventure; summer souvenir
 
を載せてもらっています。

http://weekly-haiku.blogspot.jp/2012/09/99.html


この記事は、その「もうひとつの解題」、あるいは「ウラ解題」

 

俳風昆虫記は、当初、掲載サイト・掲載誌を広く募集してみたのだが(≫拙ブログ「俳句、載せてください」)、どこからも声はかからず(作句信条まで用意したのにぃ)、最後の頼みの綱、「週刊俳句」運営担当諸氏に「どうか、ウラででも」と泣きながら懇願、諾否を問うたところ、賛成票2名(過半数)で諾の決定。「オモテでやりなさい」と寛大な措置をいただき、このたびの掲載となった。


まずは、スピカさんに感謝。「虫の生活」が土台になっている。解題にも書いたが、99句のうち30句は、ウェブサイト「スピカ」で連載させてもらった「虫の生活」の再録(若干の改稿アリ)。31日間の連載だったから1句を落とした。

句集『けむり』からも18句を再録した。また、「はがきハイク」等からも若干(こちらは、どれが再録でどれが新作か本人も把握できていない。なにぶんにも前後不覚で暮らしているにつき)。

【偽・俳コレplus】とする手も考えたが(99句という句数)、そのアイデアは途中で捨てた。「俳コレ」本体、また純正「俳コレplus」の生駒大祐氏は、関連付けられても迷惑だろう、ということで。

解説が付いているのは【偽・俳コレplus】案の残滓。近恵さんには、某句会後の酒席においてその場のノリで頼み、快く引き受けていただいた。多謝。

ところが私と来たら、無理な頼みをしておきながら、いつまで経っても稿を固めない。最後まで句のサシカエをやっている。軽微な変更を施す。順序を変える。
この99句の最終形が、この稿を書き上げる締め切りの一日前に届くという鬼の所業。(近恵・解説)
じつはそのあとにも、さらに一句、さしかえた。
難しい言葉もないし、難しいことも言わない。(近恵・同)
俳句で難しい語はふだんから使わないけれど、今回は、ラテン語っぽい語(post cotus)なんぞが入っちゃったりしている。がんばっちゃっているのだ。

 

夏季の「虫」にまつわる句を並べ、いじくっていて、わかったことは、きっと秋の虫で99句もの句数は、きっとつらかろう、ということだ。じつは秋の虫でも制作に取りかかっているが、ヴァリエーションの点で、夏は秋に勝る。「虫」というと秋、というのが俳句の習わしだが、秋季で虫にまつわる句をまとめようとすると、数が行かない。鳴いてばかりいることになってしまう。考えてみれば、「昆虫」といえば、秋ではなく、夏、なのでありました。

 

ところで、いま、小学生向けの雑誌やノートの表紙に、昆虫が使われることはまずないそうだ。理由は、見るだけで嫌悪感を催す子どもが増えたから。悲しいことです。



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