2009/07/03

イ・チャンドン監督「シークレット・サンシャイン」

(レンタルDVD)2007年韓国。

小さな男の子を連れて元夫の故郷・密陽(シークレット・サンシャイン)に引っ越してきたピアノ教師。親切な自動車整備工場主の助けもあって、ピアノ教室を開くが、ある日、息子が誘拐され、まもなく遺体で見つかる。このあたりまでのプロットの加速度(ゆったりした導入から急展開へ)がみごと。

事件モノかと思いきや、話の本筋はここからだ。「なぜ、私だけがこんな不幸な目に? この世に神はいないのか」と嘆く母親が、どうしたことかキリスト教に入信。「魂の救済」をもとめて熱心な帰依が始まる。ところが、ひょんなことから…といった具合に、ほんと、話の展開に予断を許さない。

ところが(なんべん逆接「ところが」を使うのか!)、この映画の核心は、そうしたプロット展開のみごとさとは別のところにある。ああ、これをなんといえばいいのか、根源的な問いかけ(運命って? 神って? 精神って?)を柱として持ちながら、物語のひとつひとつの要素は、いかにも情けなく通俗的で人間臭い。誘拐の遠因がつまらない見栄だったり、神への復讐が単なる万引きだったり。でもね、人間って、そういうつまらないこと、やりますよね。その意味で(どの意味だ?)、この映画、とことん深い。

星3つ半、いや4つ? そのへん、どうでもいいや。

ともかくスイングに腰が入っている。本気で振っている。


イ・チャンドン監督作品の「オアシス」と、この「シークレット・サンシャイン」、2本を観ただけでモノを言うのですが(それだけでわかることがあるからしかたがない)、韓国映画は、日本映画なんかとはまったく違う地点、違う次元を走っていますね。ま、イ・チャンドン監督が特別なのかもしれませんが、オトナとコドモです。

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